- ホーム >
- ピロリ菌の検査
ピロリ菌の検査
ピロリ菌除去の検査結果が2分でわかる検査機器を導入しました。
ピロリ菌感染の有無や、ピロリ菌除去治療の効果判定についての検査方法は胃カメラ検査をする方法と、それ以外に尿素呼気試験、血中ピロリ菌抗体測定、便中のピロリ菌抗原測定法があります。尿素呼気試験は特に正確さが高く(感度、特異度95%)、当院では主に、この方法を行っています。以前までは検査で紙袋にためた息を検査センターに提出し、結果がわかるまで1週間程度かかりましたが、この度最新の機材(POCone)を導入しました。
しかしこの機材を使用すると2分で結果がわかり、その時に説明できます。
*絶食で来院いただく必要がありますが、患者さんには特に苦痛を伴うような検査ではありません。
*検査時間は約20分です。専用の薬を飲んでいただき、息を袋に入れるだけで検査をすることができます。
*胃カメラ検査も必要ありませんので、今まで内視鏡検査が苦手だった方はお勧めです。
しかし、残念ですが症状はなくてもすでに胃がんになっている可能性があります。
特にピロリ菌陽性の方は一度胃カメラをうけられることをお勧めします。
検査の流れは以下の写真の通りです。
尿素呼気試験(1)
はじめに、袋の中に吐く息を入れる。
尿素呼気試験(2)
薬(印のついた尿素)を取り出します。
尿素呼気試験(3)
薬を水100mlで噛まずに飲んでもらいます。
尿素呼気試験(4)
ベッドで5分間左を下にして横になってもらいます。
尿素呼気試験(5)
15分間座ってもらう。
尿素呼気試験(6)
最初と同じように袋の中に吐く息を入れます。
ピロリ菌がいた場合の治療薬
一次除菌、二次除菌ともに3種類の薬剤を使用します。胃酸をおさえる薬、抗生剤2種類です。現在2社からパック製剤もでています。
1 一回目の除菌(一次除菌)
2 一回目の除菌の効果判定を除菌後2か月して尿素呼気試験で行います。
除菌成功していれば終了ですが、失敗していた場合二回目の除菌(二次除菌)に進みます。二次除菌では抗生剤がクラリスロマイシンからメトロニダゾール(フラジール)に変更されます。
現在の除菌治療の成功率は一次除菌が70~80%です。これはクラリスロマイシンに対する薬剤耐性ピロリ菌が増加しているためと、いわれています。二次除菌までで一次除菌と合わせて97~98%の成功率です。
三次除菌、四次除菌、五次除菌も可能ですが、いずれも保険診療の適応がなく、治療、尿素呼気試験も自費診療となります。当院では五次除菌の方の成功例も経験しました。
ピロリ菌除去に関するまとめ
◆胃がんは、その発生のしくみが解明されつつあり、ピロリ菌が大きく関与していることがわかりました。今やピロリ菌を除菌する予防の時代になりました。
◆ピロリ菌の診療は、ピロリ菌専門医に診てもらいましょう。
◆しかし、残念ですが症状はなくてもすでに胃がんになっている可能性があります。