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胃がんリスク検診(ABC検診)
福岡市では今年7月から胃がんリスク検診(ABC検診)が始まります。
満年齢35歳と40歳の方が対象です。 検診機関は今後報告されます。
当院院長は、検診機関募集の講演で演者をおこないます。
ABC検診について
1994年に国際がん研究機関はピロリ菌が胃がんの原因と認定しました。
2014年の勧告でピロリ菌の除菌治療が胃がんの予防となり、血清ペプシノゲンが胃がんの危険度の指標となると認められました。
ABC検診(胃がんリスク分類)
ABC検診(胃がんリスク分類)とは、血液検査でピロリ菌に対する抗体(血清ピロリ菌IgG抗体)と、胃の炎症や胃粘膜萎縮の程度を反映するペプシノゲンを測定し、その組み合わせから胃がん発生のリスクを分類し評価する検診です。A~Cの3群に分類し評価します。
(正確な診断には胃カメラによる二次精密検査が必要です。)
早期胃がんの発見率はバリウムで行う胃の透視検査よりも2倍高いという研究もあります。
血清ペプシノゲン
「血清ペプシノゲン」という物質の血中濃度を測定し、胃粘膜の萎縮状態(胃がんになる危険が高くなります。)を客観的に調べます。
「血清ペプシノゲン」とは、胃の細胞から分泌される消化酵素・ペプシンのもととなるものです。ペプシノゲンは一部が血中に出るため、血中濃度を測定し、胃粘膜でのペプシノゲン産生能力がわかります。血清ペプシノゲン量が少ないと胃粘膜の萎縮が進行しているということになります。血清ペプシノゲンには2つのタイプがあります。ペプシノゲンIは主に胃底腺から分泌されます。また、ペプシノゲンIIは胃底腺以外に噴門腺や幽門腺、十二指腸腺からも分泌されます。胃粘膜の萎縮は、ピロリ菌感染が胃底腺領域(胃の出口側)にまず起こり、萎縮が始まります。これの進行で胃底腺細胞が萎縮により減少し、幽門腺細胞領域が優位となるためペプシノゲンIに対してIIの量が相対的に増加してペプシノゲンI/II比が低下します。この値から胃底腺領域の胃粘膜の萎縮の進行度が判断できます。
またピロリ菌に感染すると血清ピロリ菌IgG抗体が上昇します。この値とペプシノゲンI/II比との組み合わせでA~D群に分けて胃がん発生のリスクを判定します。
ペプシノゲン陽性+ピロリ菌陰性では、年間80人に1人が胃がんを発症!!!
ABC検診を推進しているNPO法人日本胃がん予知・診断・治療研究機構は、ABC検診のC群をピロリ菌の有無によって更に2群に分け、ABCD群として評価を行っています。
日本胃がん予知・診断・治療研究機構ホームページより抜粋
胃がんの年間発生率は、A群はほぼゼロ、B群は千人に1人、C群は400人に1人、D群は80人に1人と報告しています。
日本胃がん予知・診断・治療研究機構ホームページより抜粋